「介護派遣はやめたほうがいい」
――そんな言葉を、私もかつて何度も耳にしました。
実際、介護派遣として現場で働いていた時も、周囲からそんな声を多くいただきました。
現在は正社員として介護施設に勤めていますが、だからこそ、派遣と正社員それぞれの良さと大変さの“両方”を実感しています。
おそらくここに来られた方は、【介護派遣】とネットで検索した時に「やめたほうがいい」と出てきたことに不安を感じた方が多いのではないのでしょうか?
確かにSNSや掲示板には介護派遣に対するネガティブな意見も少なくありません。
ですが私は介護派遣の経験を通じて、「派遣も悪くない、むしろ自分にとっては必要な時期だった」と声を大にして言う事ができます!
今回の記事では、介護派遣はやめたほうがいいと言われる理由と、介護派遣としての働き方の魅力をお伝えしたいと思います。
介護派遣で働こうか悩んでいる方は、ぜひお読みいただき参考にして貰えたら幸いです。
・介護業界8年、介護福祉士資格所持。ユニットリーダー経験有。
・全くの未経験で派遣社員として介護業界へ足を踏み入れ、介護職のやりがいと奥深さを知る。
・その後転職を2度し、老健・特養・グループホームを経験。
・現在はブログにて介護の情報発信をしつつ、フリーランスとして介護業界を渡り歩く放浪人。

介護派遣は「やめたほうがいい」と言われるワケ

その①ボーナス・退職金が出ない
派遣社員はボーナスや退職金は原則支給されません。
その代わりに時給としては比較的高めの金額を貰えるようになっているのが特徴です。
しかしながら正社員でボーナスありと派遣で時給は高いけどボーナスなし。
比較するとどうしても正社員の方が年収が高くなる傾向にあるのは注意点です。
その他、家賃手当やその他補助など、派遣先にある独自の福利厚生は使うことができないので、収入面では不安定と言わざるを得ないでしょう。
その②職場内のキャリアアップは望めない
派遣社員はあくまで派遣会社の人間なので、どれだけその派遣先で努力し周囲に認められたとしても昇進等はありません。
自分は介護の現場だけでなく、その職場でどんどん昇進して管理職を目指して行きたい!
って方は派遣より正社員として勤めた方が良いのかなと思います。
その③正社員と派遣で壁を感じる

その職場やそこで働いている人次第ではありますが、派遣職員に対しての風当たりが強く感じる事もあるかと思います。
自分も実際派遣社員として入った際に
「派遣だと残業なんかできないよね?」
と、嫌な顔されながら聞かれたことがあります。
そこで働いている人としては
派遣=「残業しない・時給高い」
ってイメージが強くて、人によっては表立ってそれを態度に示す人も中にはいます。
派遣で働く際は、そんな時もある程度割り切って考えられる人が向いているかもしれないです。
また、ある程度の残業が出来るなら少しは協力する。
残業ができないなら、勤務時間内は責任を持ってしっかり仕事をする。
そんな姿勢が大切かなと思います。
その④派遣期間が満了すると別の職場へ行く事になる

逆にその職場がとても良い所だとしても、派遣期間が満了になったら別の派遣先へ行く必要があります。
そこで正社員にって話が出て自分もそれを望んでいれば良いんですが、派遣のままそこで続けて働きたいってのは基本的に叶いません。
せっかく良い職場に出会えて、利用者さんや職員にも慣れたのに別の派遣先へ行かなくては行けない…
これは大きなデメリットかなと思います。
介護派遣は本当に「やめたほうがいい?」経験者が語る大きな魅力!!

デメリットをいくつか述べてきましたが、それを覆すほどのメリットがあるのが介護派遣です。
ここからは、私自身が介護派遣を経験して感じた【介護派遣の魅力】も交えながら、派遣として働くメリットをご紹介したいと思います。
退職せず他施設を経験できる

派遣には派遣期間があります。
その期間は人によって違いますが、その期間が満了になると派遣先を変更する事になります。
一見
「せっかく慣れたのに別の所に行かなきゃいけないの~?」
と思う方も多いかと思います。
ですが、
介護職にとって多くの施設を経験できるってのは大きなメリットなんです!
介護施設にも様々な業態があり、そこを利用している人。職員も様々です。
1つの施設に在籍していた時とは別の多くの経験が出来ます。
そしてその1つ1つの経験が自分の身に確実になります。
実際に1つの施設しか経験してない人と、多くの施設を経験している人だと、介護の技術やケアへの考え方に幅があるように思えます。
ちょっと辛いことがあっても
「あ、あそこの職場より全然マシだ~」
「あの時に比べたら何てことないな~」
と感じる事も多々ありますよ。
また介護技術に関しても、多くの職員さんの技術を見て、それを参考にしている内に自然とその技術が自分の物になっています。
職場の環境が合わなければ派遣先の変更を検討出来る
介護の職場ってやっぱりクセがあります。
職場の雰囲気だとか、そこにいる職員さんだとか…。
それでいて介護サービスはチームが一丸となってケアすることが重要です。
そんな時に職場の環境が自分に合わなかったら辛いですよね。
そんな環境でもそこですでに働いている人が居ると
「自分が合わせなきゃ!」
と頑張りすぎちゃって心身共に疲れてしまいます。
職場の合う合わないは人それぞれです。
あなたに合う職場も絶対あります。
当然ある程度そこに馴染もうとする努力は必要ですが、無理だけはダメ!!
でも正社員として
「さぁ頑張ろう!!」
と気合入れて就職して、その環境が合わなくても中々退職って道選べないんですよね…
自分も経験ありますが、どうにか自分がそこの環境に合わせなきゃ!!って無理することになってしまいます。
同じ法人内で別の事業所にって話を貰ったりしますが、それも中々上手くいかない事も多々あります。
そんな時に派遣として就業していれば、退職ではなく派遣先を変更するという選択肢を取ることが出来ます。
当然自分勝手な理由で変更はもちろん出来ませんし、嫌だからって確実に派遣先を簡単に変更できる訳ではありません。
ただ、職場が合わないなって時に最悪派遣先を変更出来るって選択肢が自分の中にあると、それだけで心に余裕が出てきます。
職場と一定の距離感を保つことが出来る
派遣社員はあくまで勤め先は派遣会社です。
職場である派遣先との間に派遣会社が仲介に入るようなイメージです。
なので、物理的にも精神的にも勤め先と一定の距離感を保つことが出来ます。
勤め先から無理な要求をされても、派遣会社が間に入っているので断りやすいです(そもそも派遣社員にそこまで無理な要求しないと思いますが…)
時給が高い

ご存じのように介護業界は今どこも人手不足です。
その人手不足を補う為介護派遣は非常に重宝されています。
そんな人材確保のために介護派遣は比較的時給が高く設定されている傾向にあります。
派遣会社選びをしっかりすれば正社員以上の時給を稼ぐことも出来る場合がありますよ。
(そもそも介護業界の正社員給料が安いのもあるかもですが…泣)
残業が少ない

介護の現場では記録やイベントの準備。委員会や会議等など業務外に残業が必要な場面が多々見られます。
ですが上記でも述べましたが派遣社員はあくまで派遣会社の人間です。
派遣でも記録には基本携わる必要はあるかと思いますが、イベントの準備や委員会等は契約になければ関わらない形になります。
ですので、正社員と比較して時間外の業務は少なくなります。
また、派遣会社との契約で時間給になっているので、万が一残業が発生しても必ず残業代が支給されるのも大きなメリットですね。
介護派遣は「やめたほうがいい?」まとめ:自分がどう働きたいかを再確認しよう

介護派遣は、安定重視の人にとっては不安もあるかもしれません。
ですが、ライフスタイルに合わせて働きたい人や、さまざまな現場で経験を積みたい人にとっては、非常に魅力的な選択肢です。
大切なのは、「誰かにとっての良い・悪い」ではなく、「自分にとって合うかどうか」です。
「なんで派遣で働いてるの?」
これは、派遣で働いているとイヤって程聞かれる質問です。
この質問に自信を持って答えられるなら、他者からの評価などは気にする必要はないでしょう。
自分の生活に合わせた働き方で、自分らしく生きて行きましょう!!
